2006年06月06日

不具者の思想(優生思想の危険)

「お上が兵士を募集するときでも不具者は徴兵免除になる。大手をふって人中を歩き回ることができる。またお上が大工仕事のた人を徴発するにも不具者は免除される。お上が病人に施しをするときには食料と薪をもらうことになる。」

この荘子の例えには中国人の大きさがある。中国人の社会の見方のスケ-ルの大きさがある。国を越えた何かスケ-ル大きな日本人には持てない視野があるのだ。無用の木の例えもそうである。無用のなかにこそ実は本当の生の大きな用があったのである。戦争中に徴兵検査が行われた。

甲種合格の基準は二十歳で、筋肉強健、視力0・6以上、身長155センチ以上となっている。乙種はこれに次ぐ。昔は甲種合格は名誉なことで家門の誉れとお祝いをしたそうだ。その合格者だけが軍隊に入隊した

「お前は甲種合格だ、立派な体だ、真っ先に戦陣の最先端につきお国のために尽くせ、お前は郷土の自慢だ」
「お前の体は貧弱だな、お前は不合格、戦争できる体じゃない、戦争に行く必要なし、お前は郷土の恥だ、不具者だ」



こんなふうになったのだがこうして戦争に有能なものとして駆り出されて死んだものと不具者として戦争にも行かず生き残ったものと一体どっちが今ほめられるのかわからなくなっているのだ。戦争一辺倒の時代にお国のために死ぬことが唯一の価値観になっていたからだ。こんなふうに見る人はいなかったのだ。反対するのにも別な見方で反対していた。戦争は負けるかもしれないとか人道に反するとかであるが荘子のように見る人はいない、日本人は働くことにこりかたまった人間である。働いていれば有用な有能なものだということがこびりついている。戦争のために命をとられたことは愚かなことだったかもしれぬ、そういうことが今問われているのだ。植民地解放のためだとかいろいろ理由を言うが今になると戦争に対してはこうした見方もできるのだ。哲学とか思想は別にむずかしいものにあるのではなくこうした時事問題の中で生活する中で考えることなのだ。宗教団体に属している人は全然考えない、盲従する。哲学、思想は平凡な生活の中にも応用されるものである

ナチスの優生思想も弱者や障害者などを抹殺する思想は賢い者だけが健常者だけが社会を構成するべきであり障害者は金がかかる無駄なものだから抹殺した方が社会のためになるという思想である。こうした傲慢な思想が恐るべきナチスの犯罪に導いたのだ。アイシュタインといえば人類最高の頭脳であった、賢い科学者であったが原爆開発をあとで後悔した。有能な人、賢い人、権力者は一面非常に危険なものなのだ。それは傲慢になってしまうからだ。なんであれ力をにぎるものは傲慢になる。宗教団体だって数に頼り資金も豊富だから傲慢になる。おれ達の団体に逆らうものは抹殺だとなる。神は人間の傲慢を罰せずにはおかないのだ。人間が強い賢いと思うとき傲慢になり非常に危険なものとなっている。その思い上がりが神の厳しい罰を受けることになる。火を盗んだ技術の神のプロメテウスにそれが象徴されている。火を盗んだというのは現代では原子爆弾に通じていたのである。

こうした社会の見方をしている人はアウトサイダ−となり社会に受け入れられない、私はこれを「単細胞的思考」で有名な上野霄里氏から学んだ。私は普通の人より劣っているから創価であれなんであれ集団に従属して命令されて従順に従うのに向いている。あのように単独者などはなりえない劣等者であった。でも上野霄里氏に啓発されて社会の見方が変わったのだ。ただ上野霄里氏にもニ−チェのように弱者抹殺の思想があるから危険でありそこに奢りがあり自分のような劣等者は偶像化してしまう。天才とはあらゆる点で恵まれた人間だった。体力的にも知的にも人間として生来特別なものを努力なしで与えられている存在である。一方聖書に記された予言者は劣等者だった。何か普通の人より劣った人であったのだ。普通だったら天才的な人を予言者にすればいいのだが敢えて神はこうした劣った人を選んだのである。つまり生来優秀な天才や賢い人々は傲慢になりやすいのだ。株で大儲けした村上氏などもそうである。こういう人も謙虚さがなく傲慢になってしまう。金さえもうければこの世はどうにでもなるという傲慢さがでてくる。そういう人を神は罰せずにはおかないのだ。

わたしはわらべを立てて彼らの君とし、みどりこに彼らを治めさせる(イザヤ−3−4)

これは有能な賢い人間に治めさせるというのではない、人間にとって有能な賢い人間とはおごり高ぶる人間でありこの傲慢の故に神の罰を受けてきた。聖書のテ−マはこの傲慢な人間を罰することが一貫したテ−マだったのだ。
老人になると誰もがどんなに社会的に活躍した有能な人でも弱者に転落する。認知症になったら知能が低下して信じられない不具者に障害者に転落してしまう。それをまざまざとみたからその驚きをプログに書き続けてきたのだ。


時事問題で追求したことをここで加筆して書きました。今のところ本サイトは休止です。プログの方を読んでください。

参考
http://www.musubu.jp/jijimondai13.htm(モラトリアムの時代(人間積み重ねが大事) 1月28日

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