2013年05月14日

水田がない自然の不思議(田んぼなく蛙がいない)


水田がない自然の不思議(田んぼなく蛙がいない)

チャ-リップ新しき家また建ちぬ
前畑に蛙の鳴いて夕暮れぬ
一区画水張る田にそ蛙の声
いつの日や蛙鳴く声満ちる日は
老鶯や松一本に同じ道
郊外のイオンに集るつつじかな

草原に日ざしのまぶし夏の蝶

一輪の牡丹隠されなお咲きぬ我が見守りつ時の遅かれ
我が庭の牡丹は散るも隣家の牡丹は咲きぬ四五輪ほど


蛙は冬は田だったところに冬眠していて田に水が張られると目覚めるという。蛙は水のあるところに集る。だから試験的に田に水張っている処に蛙が鳴いていた。蛙は水がないところには生息しない、湿地帯化して水がたまっているところに蛙が鳴く、田んぼがなくても蛙がすみつく。

蛙が鳴くのは

基本的にほとんどが繁殖行動に伴う鳴き声ですね。
そして、生きるための必要性からくる警戒、危険音
http://q.hatena.ne.jp/1148202762


蛙と水田はすでに海岸の松原のように第二の自然としてあった。だから蛙の鳴き声が聞こえないのが不思議なのである。田んぼが草原化し
たときかえって蝶にはあっている。夏の蝶が広い草原を飛ぶのはあっていたのである。草原の景色はモンゴルの草原とにている。水田は湿っぽい。日本は湿地帯が多いように湿潤地帯である。雨が多いから水田があり米も作れる。だから大和言葉でもしめやかにとかしみいるとかは何か日本の風土から生まれた言葉なのである。そういう表現は外国語に少ないだろう。英語などでも乾いた土地から生まれた感覚だからである。蛙もしめっぽいところに生息するものである。皮膚呼吸して雨を呼ぶというのもそのためである。しめっぽいの体にいいのである。
だから蛙は極めて日本的な風土にマッチしたものとして生息していたのである。


雨鳴きというのは、カエルは呼吸の大部分を皮膚呼吸に頼っていて
皮膚が湿っていないと生きていけませんから、


菖蒲などもしめやかにしっとりと咲いている。これも雨の季節にふさわしいから日本的風土にあっている花だとなる。世界には雨がふらないところが結構ある。砂漠地帯やヨ-ロッパでもアメリカ大陸でも乾燥している。蛙がこんなに鳴くのは水田があるところである。トラクタ-で水田のあったところの土起こししているあとを鷺がついて歩くのは土を掘り起こすと冬眠している蛙がでてきて餌になるからである。自然でもあれは何なのだろうと考えるとそれなりの理由があるわけだ。


人間が住むにはなんらか文明化せざるをえなかった。人工化せざるをえなかった。湿地帯には虫とかばい菌の巣にもなっていて住めなかった。だから縄文人は高台に住んでいる。これは外国でもにていた。最初に住んだのは高台である。湿地帯に風土病になる寄生虫とウィルスとかの棲家になる。
今でもフィリンピンでは水田の自然の水路にそうした寄生虫が住んでいてそれが体に入って多くの人が死んでいるとテレビで放映していた。それで日本人がコンクリ-トの水路を作って寄生虫が出ないようにしたという。自然の小川がこの辺でもなくなったようにどうしても寄生虫などが増えるからフィリンピンではそうなった。でも自然の水路がないということは淋しい、そこには自然の生き物か生息していたからである。メダカもいただろうしいろいろな生物がいたのである。それが今は全くいなくなった。松原も水田もやはり文明化した結果としての風景だったのである。
丸森ではびんびんと蛙が夜鳴いていた。もう蛙の合唱が山にひびき木霊していた。あれだけ蛙が鳴くのもやはり水田があるからである。それがこの辺ではパタッと消えてしまったのである。


死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづき天に聞こゆる 斉藤茂吉


死ぬまで蛙の声を聞いて母は死んでいった。蛙の声が天に送るように鳴いていた。まさにそれほど密接に蛙は日本の風土と水田を通じて結びついていたのである。

とほき世のかりようびんがのわたくし兒(ご)田螺(たにし)はぬるきみづ戀(こ)ひにけり
(斎藤茂吉)


陵頻伽の私生児が田螺という話の出所は不明。タニシはぬるき水を求めてすむということである。
この辺ではタニシも水田がないのだから棲まない、水を恋(乞う)いてすむ生物がかなりいたのである。草原にはタニシのようなものは棲まないのである。タニシのような貝が寄生虫に宿りそれが人間にも入ってきて風土病にもなった。モンゴルの草原とか砂漠地帯ではそうした寄生虫は少ないだろう。からからに乾いているからゴミなどでも乾くから何かそこに寄生虫がすみつくような気配がないのである。


ともかく人間の世の中で普通は確かに都会化するなど家が多く建ったり工場が建ったりして変わるのが現代だったが自然がこれほど変わるということは普通は経験できないのである。津浪で水田が草原化したり水田そのものがなくなるなども想像しようがなかったのである。

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