2007年11月03日

枯木

roseautumn1.jpg
 

秋薔薇夕べの光いとおしむ

十数本枯れて根深む桜の木冬をし耐えて花の咲くらむ

about ten cherry blossoms trees
the deep rooted ones
the lined strength
they will bloom open after hard winter

 
今ころ白い薔薇が咲くのも神秘的である。これはすぐに暮れて闇につつまれる。英語訳を時々我流でしているが英語力がないので間違っている。最近英語読んでいないから余計だめである。ただ言葉は一つの詩であり詩として言葉を消化するとき真に言葉の力を発揮することができる。だから日本語で作った俳句でも短歌でも英語にすれば明らかに英語を真に消化したのである。英語はドイツ語もそうであるが力強さがある。リズムの強弱がある。それが日本語とは違う言葉の魅力である。漢字は明らかに日本人で優れた漢詩を作る人がかなりいたように詩として消化している。日本語とも一体化しているから言葉が合体して合成して新しい創造の世界を開いた。欧米では言葉に共通性がありギリシャからはじまり地層のように積み重なっている。それで文化的共通性が追求できる。漢字は中国との文化的共通性を共有するから文化的交流を計ることができる。
 
漢字も英語とは違っても共通性があるとしたらやはり明晰性とか力強さではないか、日本の文化の特徴は女性が発明したかなにある。漢字でも英語でも男性的なものであり論理性があるから共通しているし明治維新で欧米文化の言葉を漢字で日本語化したのもそのためである。かなでは無理だったのだ。かなは情緒的になり論理性が欠如するのである。そして論理の世界は男性の世界なのである。大陸は論理の明晰性では共通しているのだ。それはやはり大陸という厳しい風土から培われて形成されたのである。
 
奥山の磐本菅(いはもとすげ)を根深めて結びし心忘れかねつも 笠女郎(万3-397)
 
この根深めて・・というのはうまいというか恋の歌にしては笠女郎の歌は自然が巧みに反映されているからうまいとなる。これは別に恋の歌にしなくても別なものとして十分に自然の深さを示す歌になっているのだ。自然との一体感が常にあるのが不思議なのである。
 
枯れた樹々は大地に根を深めてゆく、静かに地中に深く根を張ってゆく、そしてやがて春になると爛漫と花を咲かすのである。春、夏、秋、冬と季節の巡りのなかで樹も生きているのだ。冬があるからこそ春もある。冬にこそ根は深く大地に根付いてゆくのである。
 


 

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