2012年08月09日

夏の川(人は美なしでは生きられない-美は救いである)


夏の川

(人は美なしでは生きられない-美は救いである)



lineflowers.jpg
クリック拡大!

夏の花並び影なくつづきけり

夏の川鴎飛びきて海へ去る
川岸に夏菊眩し鴎飛ぶ

ひぐらしやこぞりて鳴きぬ近き山

このくらいの暑さだったら外にでて光をあびても気持ちがいい、夏の日が明るく輝いている。
川に鴎が飛んできてもすぐに海へ去ってゆくのが海岸沿いである。津浪は確かに家を破壊して田んぼもだめにしたが自然そのものが破壊されたわけではない、放射能も自然の美を破壊したわけではない、だから別に不自由をいとわないなら住む人は住んだらいいとも思う。また住みたいという人はいる。ただ姥捨山のようになり誰もめんどうみてくれないようになる。それでも長年親しんだ故郷に住みたいという人はいるだろう。人間は食料がなくても住めないが美がない処にも普通は住めない、花より団子だという人は多い、美など関係ないという人も多いからあれだけ東京に住んでいるのだろう。そういう処に住める人はすでに自然への感覚が喪失していて醜悪の中になれてそれが普通の状態だと思っているのかもしれない、本当に人間が人間らしく美への感覚をもっていたら住めないと思う。

これは悪人にとって地獄の方が住みやすいと同じである。たいがいの人間は心も汚れている。だから美も見えないし汚れている自分もわからないのだ。汚れた人にとっては汚れた処がかえって住みやすいのである。田舎に住んでいる人も同じである。そんなに美にこだわる人はいない、美にこだわって生きている人はいない、だから八沢浦が一時、津浪で元の入江にもどったことが美しいと言った時、何が美しいのだとそこで死んだ人やらあとの処理をどれだけ大変だったとか言う人もいた。


それはわかるにしても本当に八沢浦が一時入江になったときそこには汚いものがなかった。入江になったから浦になり波が春の光にまぶゆく光り静かによせていた。それは奇跡的に美しかった。この辺では荒い波しか見れなかったからだ。だから八沢浦は元の入江だったらどれだけ美しかったろうと想像していた。それがその想像通りになったから驚いたのである。そして八沢浦で歌われた古歌のことを具体的に理解した。磯桜というのがわからなかったが入江であり浦になったときその入江に波のよせる浦に磯桜が咲いていたのである。そういうことを津浪で理解できたのである。


ただ残念なのは一回したその風景を見ていない、水はひいてあとは汚い光景に変わってしまった。
一回でも現実にその光景を見たということは忘れられない。それはどんなことしても想像しても知り得ようがないものだったからだ。津浪には凄惨な風景だけではなかった。原初の美しい風景がよみがえられた処があったのだ。その辺はあまり紹介されていないのである。右田浜でも湿地帯になったりと北海道のようになった処がある。それを写真で報告した。醜悪な陰惨な場面ばかりが津浪ではなかった。それはそれで報道しても死者を冒涜しているなどとならない。かえってそういう美しい風景になったとき死者も救われる。ほとんど津浪の跡はあまりにも陰惨であり眼をそむけたくなる映像ばかりだからである。もし大都会でも津浪で流されてもそのあとが北海道の原野のようにな一面の花におおわれたらそれはそれで救いになる。まず都会が災害にあうとそうした自然がない所だから余計に人工的な廃墟となり美もなく救いがないのである。


自分にふさわしい夢を見た。高い山に登りまだ見ていない知らない花を見たのである。案内人がその花の名前を教えていた。つくづくそれが自分の一生を暗示した夢だった。自分は花を求めて旅をしてきたし花を詩にすることが多かった。だからその夢が自分にふさわしかった。自分はそのとき、その山頂で死んでその知られざる花になっていた。人間は夢の中でむずかしい難問を解いたりする。その一生の求めたものが夢になって現れたのである。だからこの夢はいい夢だった。自分はそうなって死ぬのが理想である。花を求めて花になって一生も終わったということである。


今年は蝉がなかない、これもなぜだろうと思う。理由がわからないからなんとなく不安になる。自然の異変なのかとか思う。何かの前兆なのかと思う。津浪以後そういう不安がつきまとっている。
自然の異変は実際は怖いということを知った。やはり何かの前兆であり地震でもその前兆はあったが見逃していたからだ。ひぐらしが近くの山で鳴いている。そこだけは集まって鳴いていた。すぐ近くの山だった。人間はやはり最後は身近なものに心をよせる。遠い山ばかり望んできたが最後は近くの山に心をよせる、それが人情なのだろう。だから老人になると故郷でなくても長年住んだところから離れにくいのである。

 
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/57516512
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック