2012年04月02日

トップの判断の責任の重さ (東電と東北電力の相違)


トップの判断の責任の重さ

(東電と東北電力の相違)

東電の清水社長はコストカッタ-としてのしあがり社長になったという。だから効率的ではない金のかかる安全対策はしなかった。津浪でも一旦土台を高くして作っていたのにわざわざ不便で効率的でないと土を削り低くして原発を建てた。これが致命的だったのである。一方東北電力は本当は今の高さでは高すぎるという批判があった。でもあえて副社長かここは津浪が来る、高くなくてはだめだと言って今の高さにして辛うじて津浪からまねがれた。この相違は大きい、やはりトップの判断が生死を分けるということがあった。もちろん今の社会は複雑すぎるからもうそうしたトップの役割はない、巨大複雑なシステムによって動かされているとかなる。そこに英雄は存在し得ないということも現実にある。なかなか個人が人間が介在しにくくなっている。信長のようなかつての英断による時代変革はありえないとなる。でもやはり以前としてトップの判断が大きな影響力をもっていた。みんなで議論して決める合議制なのだから現代はトップは飾りにすぎないとか言うけど原発を作るにはやはりトップの判断がありそれが事故につながった。ただ誰が土台を高くしていたのになぜ削り低くしたのか?その決定をしたのは誰なのか、それがわかりにくい、責任の所在ははっきりしないのだ。

それでも東電と東北電力のトップは違っていた。浪江と小高の原発建設予定地も20メ-トルと高台にあり今回津浪から避難した人がいたし女川の原発にも地元の住民が避難した。

女川原発の敷地をめぐっては、社内で12メートル程度で十分とする意見もあった。だが平井氏は譲らず、社内の検討委員会も15メートルを妥当と結論づけた。
 大島さんは「平井さんは、海岸を知っていた。15メートルに確たる根拠があったわけではないが、経験と直感で導き出された安全な数字だったはず」と振り返る。
 1970年に国に提出された1号機の原子炉設置申請書では、周辺の津波の高さは想定約3メートルにすぎない。だが原子炉建屋の敷地は14・8メートルとされた。


 津波対策は敷地の高さだけでなく、「引き波対策」にも表れている。取水口の内部に段差を設け、波が引いて取水できなくなっても冷却用の水が確保できる。「40分間は冷却が続けられる」(東北電力)という設計は、74年の変更申請で実現した。

 東芝のプロジェクトマネジャーとして計画に携わった小川博巳さん(73)は「東北で津波を考えなかったら何をやっているんだということ。そういう雰囲気が東北電力内にあった」と話す。
http://blog.goo.ne.jp/nishidenjigata/e/615a11152f39b896e7a3b9806e490fe1

 


東電の会議


           「原発は高い所に建てないとまずい、津浪も来るかもしれないし」


清水社長「この辺は津浪の来ない地域だよ、高い所だと効率が悪い、金もかかる

          津浪を防ぐ防波堤など金がかかるから作れないよ」


建設会社「そうですか、それなら低くしましょう、私たちは責任は持ちませんよ」

          保安院(東電でそう言っているんだからしかたないじゃないか、低くしても」


          「そろそろマ-ク1はもともと古い型であり危険性が指摘されていますがとめた方がいいのではないでしょうか」

         「馬鹿言うな、どれだけ建設に金がかかっているんだよ、ぎりぎりまで使うのが原発なんだよ」


  勝俣会長「清水よくやった、コストカットだよ、お前を社長にしたのオレだ、それでいい」


こんな会話だったらやはりトップの責任は重いはずでなのだが問われていない。東電の責任は重いのである。政府の保安院の責任も重い、何ら保安院の役割を果たしていないのだ。東電主導になっていた。


東北電力の会議


     
           「津浪の想定は12メ-トルでいいじゃないですか、これでも高く十分だと思いますが・・・」

平井副社長
「この辺では何度も大きな津浪が来ている、もっと高く想定しないとだめだ、15メ-トルだ」

              「それで高すぎます、金もかかりますし効率的ではないです」

平井副社長
「原発は安全が第一なんだよ、コストじゃない、この辺は津浪が必ず来る、だから高くしない とだめだ、15メ-トルで
な               い と だ めだ 非常用電源も高台に設置しておけ」

           「そこまで言い張るならやむをえないでしょう、従う他ないです」


こういう会話がなされていたとしたらやはりトップで決まるとしたらそのトップの判断が生死を握るということもっあった。一旦事故になったらその影響は今回のように計りしれないのだ。原発はそもそも本当は電力会社や政府だけにもまかせられるものでもなかった。自治体でも知事でも地元民でも広く参画して決めるものだった。それが原子力村が形成されて素人は全くシャットアウトされていたのである。議会や議員でもほとんどの人が推進派であり賛成なのだからすでにこの点で選挙民はもう何も言うことはできないつ、埒外だったのである。やはりこのようにトップの責任があるとすれば
清水社長や勝俣会長は死刑に値するし保安院もそれに準じる罪である。検察も原子力推進に加担して判決を下していた。ここも罰せられる対象だったのである。


いづれにしろ砂漠を日本人の集団がキャラバンのようなものを組んで旅したとき、道に迷い水のあるところの方向を一人の指導者の日本人が決めてあたり命が救われた。砂漠のような所では方向が命を決する。だから北極星など方向の目印になるのが重要になるから砂漠地帯の国の旗は星になる。
その時のトップの判断が生死を決するのだ。そういう所では英雄が生まれ安いのである。
どっちに行くかはトップの判断で決まる。いくら議論しても多数決でも決められないだろう。
そもそも生死がかかるとき多数決で決められるだろうか?人はその多数決に従うものだろうか?
議論していれば時間がかかる、危険が迫っているときは即座に決めねばならないことがある。
即断、英断が危機を救う、それが信長の桶狭間だったのである。家来の意見を聞いていてはもう助からないのである。


現代は民主主義の社会だとすると平常時には時間をかけてもいい、危機のときは対応できない、復興会議など会議ばかりしても何ら対策が成されなかった。会議は踊るなど悠長なことをしていられないのだ。即断して英断して決めねばならない、そういう危機の時代に民主主義は効果を発揮しないのだ。でも社会がそういう仕組みになっているのだから有効な手を打てずいるうちに状態はますます悪化するだけなのである。この辺でもいかに市町村長が重要な役割をになわされたか、その能力が問われたか、普通の平常時なら誰がなっても同じだとなっていた。しかし今回は本当にその役割は大きかった。市町村の運命を決めるほどに大きな役割と責任をになわされたのである。だから批判もあって当然だったしそれに答えきれないということもあった。現実に南相馬市長の評判は地元では良くないし相馬市長も良くない、この危機にさいしして答えきれない現実と重荷を課せられたためでもある。
こういうときもう誰か特別優れた人を選びまかせる方がいいとなる。ただそういう仕組みもないし人もいないとなるからどうにもならないとなる。集団指導制ではどうにもなちらなくなったのである。

それにしても平井副社長は貞観津浪のことまで考えていた。


平井氏の実家(宮城県岩沼市)近くには、千貫(せんがん)神社がある。今の海岸線から7キロ以上内陸にあるが、仙台藩に伝わる記録では慶長津波が到達した。

 東京帝国大(現東京大)の後輩で、東北電力で土木を担当した大島達治さん(82)によると、平井氏はしばしば千貫神社に津波が到達したことに触れ、「貞観津波クラスの大津波に備える必要がある」と力説していた、という

地質調査で貞観津浪のことを東電に警告していたのである。ただ岩沼辺りでもそんなに津浪のことを心配する地域ではなかった。ところが岩沼は実はかなり海が近かった。岩沼から館腰駅もすぐ近くまで津浪が来ていたのには驚いた。それと遠見塚古墳とか名取の雷神塚古墳がかなり津浪の来た地点と近い。


愛島丘陵南東端(写真中央左下)に雷神山古墳がある。また、写真左上の同丘陵北東端に飯野坂古墳群が見える。
愛島丘陵はその東端が縄文海進で南北に直線的な海食崖(現在は木々が植えられている)となり、その崖下に沿って浜堤が形成されてい
る。


縄文時代は海が迫っていた地点でもあったのだ。館腰駅のすぐ近くが雷神塚古墳だから津浪もすぐ近くまで迫っていたのである。遠見塚古墳もまさに海の遠くを見る古墳でもあった。海に近かったのである。津浪は明かに縄文海進の時を再現した。将来的に千年後とかにはまた海になる地域だった。

そういう土地の歴史とかにも通じている必要が電子力会社にはあった。市長村長にもあった。
つまり昔の長老のような人が必要だったのである。科学者は専門家は外から来た場合こういうことを軽んじる。ただ原子力の専門家であり総合的にとらえることは苦手なのである。その総合性が要求されたのが原発の建設だったのである。


原発事故にも関係していた 「天の時、地の利、人の和」
http://musubu2.sblo.jp/article/54567694.html

(地理を知らずしてすべての学問は成り立たない)
http://musubu2.sblo.jp/article/54567694.html

posted by 老鶯 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 福島原発事故関連
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