2011年12月16日

冬紅葉-冬の蜘蛛


冬紅葉-冬の蜘蛛

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塔古りて古都の寂けさ冬紅葉


冬紅葉築四十年の家の主


磐ひびく冷たき流れ冬紅葉


餌を待つ蜘蛛もあわれや小雪ふる


我が家に不気味な一点冬の蜘蛛



橲原の奥や訪ぬる人のあれ冬の紅葉の夕日に映えぬ


赤々と冬の紅葉の映えにける我が家も古りて小雪ふりつつ


この夕べ枯葉に雪のつもりつつ蜘蛛の巣張りてなお生きるかも


この岩の津浪の猛威をもろに受け残りて重し年も暮れなむ


大きなる津浪に残る庭の石時折人来て冬の日暮れぬ

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今日は寒いと思ったら雪ふった。小雪でもやはり寒いからふった。ここは長くは雪はふらない。会津だとこれから毎日雪である。仮設だと寒いし会津の雪ははじめての経験だろう。旅行するのとは違っている。毎日雪だとということは陰鬱になってしまう。冬紅葉がきれいだ。この冬紅葉がなんともいえぬ美しさがある。やはり老年は冬紅葉なのだ。なんとも心にしみる色である。京都辺りも冬がいいということもある。ただ冬には行っていない、人が多いと情緒がなくなるんだよ、修学旅行生などがうるさい。プログでずっと前に紹介した橲原の冬紅葉がいい写真だと我ながらふりかえった。この辺の写真は相当とっている。この辺は結構自然に恵まれた所だった。それが放射能でだいなしにされてがっくりきた。どうしても放射能というのが最初に来てしまう、でも橲原渓谷の奥の冬紅葉はやはり同じように見れるし変わらない、放射能でもどこが汚染されているかわからない、水は澄んでいるし見た目は前と同じなのである。そこが放射能の不思議だった。木が枯れるとかそういう被害がないからどこが汚染されたかもわからないのである。


ともかくこの辺は本当に静かないいところだったのである。橲原が奥座敷としたときあそこもいい場所だった。それが放射能汚染で住めなくなるということが信じられないのである。どうししても落ち着かないから嫌になるのだ。文化的なものもこうなるとあとまわしにされるだろう。茶の湯がどうのこうのより生活の基本となるものをなんとかしろとなる。そういう余裕がこの辺りではなくなる。
田んぼが荒地となっていること自体荒寥としてくる。別に食糧は金さえあれば入ってくるけど他から農家でさえ米を買うなどという生活は尋常じゃない、文化は生活の安定があって余裕があってできるものである。それがないとしたら文化的生活そのものがなくなる。食べれるだけでいいとかなってしまう。


蜘蛛がまだ生きていた。この蜘蛛も不気味であった。今日は枯葉に雪がつもり蜘蛛が映えていたというのも不思議な光景である。蜘蛛も餌をとらねば死んでしまうだろう。今餌はなくなってゆく、しかし蜘蛛の巣を張って待っているほかない、最近二人殺した人いたけど刑務所から出たばかりだった。職もなく金もなかった。そういう人がどうして資産家と近づいたのか?いかにこういう人が危険なのか知らなかった?借金している人や金に飢えているような人は本当に危険である。そういう人は凶悪な犯罪者になりやすい、そういう人が家に入って来たらもう犯罪を防ぎようがない、そういう経験したから本当に追い詰められた人間は怖い。何するかわからない、人を殺すことも追い詰められているからやる。そしして誰かがそういう人の犠牲になるのだ。そもそも刑務所から出て仕事もないのだからまた犯罪を犯しやすい、そのあとのケアがなかった余計にそうなる。そういう人を野放しにする怖さである。野獣を野に放つ怖さである。もっとそういうことは注意深く見守る必要がある。


津浪で庭の大きな石が残っていた。そこにたまに人が訪ねる。その石は家にあったのだから人の情が移った石でもあるのだ。石はその家の人を待っているのだ。樹でも同じである。人間化した樹や石なのである。だから飯館村でも他にも浪江でも人がいなくなった所は以前としてそこにあったものは人を待っているのである。でも子供が帰れない,孫が帰れないと帰ることをあきらめたという人がでてきている。やはり家族は若い人がいないと成り立たないだろう。老人だけでは世話もされない、そこで孫とか娘、息子と一緒にいるために帰れないようになる。こんなふうにしてこの辺はいつまで放射能のことから解放されるのだろうか、つくづく放射能を知らず山眠るとなりたい、もう放射能のことを聴きたくないのだ。毎日毎日でありいつ終わるのか三十年四十年廃炉にかかるとかなるとうんざりしてしまうだろう。だからここに住みたくないという気持ちがわかる。津浪だけだったらこんなふうにはならなかった。放射能は先が長すぎるから困るのだ。

 
 
 
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