2011年11月19日

冬日(木彫りのアイヌ像-長寿は人類の目標だった)


冬日(木彫りのアイヌ像-長寿は人類の目標だった)

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木彫りにアイヌの夫婦冬日さす


健やかに長寿の樹や冬日さす


その昔槐の盆やひなたぼこ



北海道木材の中でも特に堅い、槐(エンジュ)材を使用しています。槐材は、北海道の厳しい環境のなかで育つため、密度が高く油分が多いので、木彫りに適しており仕上がりも光沢が美しいものとなります。

きへんに鬼と書き、魔よけになるともいわれ、愛されてきました。延寿とも書いて、長寿を祝う木とみられています。昔はタバコ盆に用いられました


槐は固いから煙草盆としても使われていた。火でも燃えないということである。木にもいろいろ種類がある。これは長寿の樹としてふさわしいものなのか?実物はみていない。樹はもともと寿命が長い。だから長寿と延寿となった。延寿(エンジュ)が槐だった。人間の最初の文化はみんな樹からはじまった。アテネのアクロポリスの神殿も元は木の屋根だったとか石の前は木だったのである。


バイキングなどがノルウェ-から生まれたのはあそこは針葉樹林帯で木が豊富だから船の材にことかかなかったから船の文化が発達したとなる。今はヨ-ロッパでは森林が喪失している。でもベルゲン鉄道のテレビを見たらノルウエ-辺りはまだ森林におおわれていた。針葉樹だからゴシックの聖堂にもあっている。ゴシックの聖堂は森を象ったものだからである。


この木彫りの像は30年前頃買ったものである。お土産で買ったものでいいものがなかった。安物ばかりだからいいものが残っていない。お土産でもいいものを買わないとあとは捨てるだけになるだろう。いいものはやはり高いから買わないのだ。ただいいものは時間がたつにつれ光沢を帯び貫祿を帯びて価値がでてくる。本物の芸術品は時間の中で価値を帯びてその価値がわかってくるのだ。これも買ったときそれほどと思わなかったが今になると何か重厚なものを感じる。ただこれが特別高いのというのではない、当時5千円くらいだったろう。それでも今になると冬の日がさしてこの木彫りの像が重みがでている。今はインスタントで安物が多すぎる。家自体が外見は良くても安物なのである。
材料もいいものを使っていないからそうなる。やはり何でも長持ちするのがいいのである。


ともかく人間が長寿になったことは悪いことではない、長寿は人類の願いでもあった。多産多死は自然のル-ルだが高齢少子化は人類の歴史の必然としてそうなったのである。だからもともと悪いことではない。人間は本当に長生きしないと仕事ができないことがわかった。芸術の分野でもそうである。これは時間がかかるものだと思った。天才でない人は特にそうである。何か理解するのに時間がかかるのだ。現代のようにグロ-バル化したら芸術だって学問だってグロ-バル化しているだろう。すると外国のことを理解せねばならない、それが大変であり時間がかかりすきるのである。日本だけでも理解するのに大変なのに外国を理解するのは更に大変である。その点江戸時代は日本だけを理解していれば良かったから楽だったのである。

 


葛飾北斎


己、六歳より物の形状を写すの癖ありて
半百の頃より数々画図を顕すといえども
七十年描く所は実に取るに足るものなし
七十三にして稍、禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟り得たり
故に、八十六歳にして益々進み
九十歳にして猶その奥義を極め
一百歳にしては一点一格にして生きるが如くならんか
 
『富嶽百景』のあとがきより


天才にしてもこうなのだから凡人はなおさらである。自分も60過ぎてから結構俳句短歌詩でもいいのが作れるようになったと我ながら思う。凡才だからそうなったのだけどやはり芸術であれ一つの道を極めることは時間のかかることなのだ。だから長寿でないかぎり何か一つの道を極めることは不可能である。長寿は人間にとっていいことなのだ。ただ悪いとされるのは社会にとって活力を失うとか福祉の負担がただ増加するばかりだとかそうしたことで若者が老人は死ねとか盛んに言われる。でも人間が目指してきた一つに明かに長寿があったことは確かである。ただそれも健康でないと意味がなくなる。多少病気になっても仕事ができることが大事なのである。長寿はやはり人類の一つの目標であり負の部分があるにしろ今世紀に達成されたのである。もちろんこれからはわからない、意外と団塊の世代は早死になるとか言われているしわからない、でも長寿は健康であれば祝福されたことである。本当の幸福感は長寿ではじめて得られるもかもしれない、ただ自分はどうなるのかわからない、癌でないとするとすぐに死ぬとは思えないがわからない、ただ長寿でないと自分の仕事の大成ができないことは確かである。
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