2007年08月14日

日本の自然の特徴−(みどりは色でなかった?)


日本の自然の特徴−(みどりは色でなかった?)

 
●緑(みどり)は色のことではなかった
 
ミドリは緑ではなかった。みどりごとは緑色の子供になってしまうからあわないのである。
「みどりご」についてですが、新生児を「みどりご」と呼ぶのは万葉集に「彌騰里兒」とあり、また別に三歳未満の児を「緑兒(みどりご)」、女児を「緑女(みどりめ)」(緑は本来は旧字です)とあることから日本において古代から使われていた言葉ということがわかります。
「みどり」の語源はまだ不明のようですが、「若葉のようにみずみずしい、若い、幼い」という意があります。

731年に大伴旅人が亡くなると彼に仕えた余明軍は、
  若子(みどりご)の 這(は)ひたもとほり
  朝夕(あさよい)に 哭(ね)のみそ
  わが泣く 君無しにして

 
みどりごと使われたのが後に緑と漢字化された。
 
「日本に緑色の言葉がなかった!そんなことあるのか、日本中どこも緑じゃないか?」

「そうなんだよ、まさに日本中緑だから緑色ということがなかったんだな」
「ええ、なぜ、緑だらけなのに緑色がなかった」
「緑は日本のいたるところにあり緑におおわれているからあえて緑色ということはなかったんだよ、ちょうど空気なしで人間は生きられないが空気を意識しないように
日本ではどこも緑におおわれているから緑色はなかったんだよ」


緑はミドリでミは水である。緑は水々しいとかと同じ意味なのだ。ウミのミも水の意味である。緑(みどり)滴るという表現は水がしたたるだから水のことなのである。日本は緑に水に恵まれた国だからあえて緑を意識しなかったのである。外国では例えば砂漠では水がいかに貴重かわかる、石油より水の値段が高くなる。砂漠での水はまさに命の水であり水は奇跡のように思える。水はまさに生命そのものである。日本ほど緑におおわれた水に恵まれた国はない、日頃意識せずとも緑と水に恵まれているから緑と水を大事にしない国ともなる。日照りで四国のダムの水不足が常に報道されるが一転して台風が来て水害になるような国だから水は常にあるものとして意識しないのである。世界でも緑におおわれた山はまれである。ほとんどヨ−ロッパでも森の木は刈られ中国でも韓国でもそうである。砂山とか岩山、禿げ山になっている。日本に住んでいると日本の良さがわからない、その自然の恵みのいかに豊かなるかもわからない、水道の水が飲める国も極限られている。水が豊富でも熱帯地方の水はきれいでないから飲み水に適していないが日本は清水がいたるところにある清水の国でもある。シミズ(清水)イズミ(泉)のミはすべ水のことである。見る(ミル)もミは水であり常に見るのは水だともこじつけられる。実り(ミノリ)もミであり米は水があって実りになるから実りだともいえる。
 
●本来の森の姿
 
日本では自然に恵まれている、その自然を意識しないほど恵まれていた。だからかえって自然に無頓着であり自然を簡単に破壊してきたという逆説が成り立つ、日本では景観破壊が簡単に成される。それは自然に恵まれてきた国だから自然を守るという意識がない、自然の字も自ずから然りであり守るなくてもあるものなのだ。それは豊かな自然におおわれていたから自ずとそうなったのである。自然というとき今や本当の自ずから然りとなっている原生の自然は江戸時代辺りから消失している。森でも杉の林とか人工林にされてきた。森というとき松だけの林や杉のだけの林は本来の森ではない、それらは松は陶器を作るための燃料とかに植えられ杉は家を作るために森が作り替えられた人工の森である。だからそういう森に入ると貧弱なもの丁度個性のない機械的な森に感じてしまう。
 
今本来の原生の個性的な森に接することはむずかしい。教育でも学校は人工林を作るところである。同じ松だけの林であり杉だけの林なのだ。森と林は別物である。林−ハヤシはハヤスとか人工的に作り出すものでありハヤシはハヤイだからハヤク作り出す性急な人間的な人工的な林なのである。屋久島の樹齢何千年とかの縄文杉の森とは全然違ったものが林である。森には多様な樹が生えている。その多様性が自然であり燃料にするための松林とか家の材料としての杉の林が森ではなかった。もはや原始的な本当の森を知ることはできなくなった。暑い松林に一本別な木があった。榎木なのか椎の木なのかわからないがその一本の木の影は濃く涼しかった。これでわかったことは松だけの林は森ではない、そこに別な樹齢の古い大木が交じりまた他の木も多様にある森が本来の森なのだ。ソロ−が住んだホ−ルデンの森は原始的な森であり人工林の森ではなかった。杉林とかだけの森に入るとそこには荘厳な森を感じない、貧弱なもの機械的な人工林の充たされないものを感じる。本来の森は多様であり個性豊かでありそこで心も充たされる。
 
松林榎木の一本影涼し
 
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