残る蝉の声
天地の静寂
残る蝉の一つ二つ
森の深みに
静かに聞き入る
親の墓所があり
ここを離れえじ
最後まで聞き入る
その蝉の声
ともにありにし
歳月の長きも
ここにともにありて
故郷の土となりゆく
天地の深まる静寂
そを聞き入りぬ