白鳥の詩
白鳥はどうして作られたのだろう
白鳥はすでに犯しがたい高貴が備わっている
生来の貴族にして高貴と優雅と美質が備わっている
まわりの鴨も侍従のように従い群れる
その数は多く白鳥をひきたたせるだけ
庶民は鴨であり雀でありその差は大きい
水に浮かび白鳥のその純白の静謐さ
その高貴さは生来のものにして神の与えしもの
神聖不可侵のごとく白い衣につつまれている
互いによりそい映えて妬みの心がない
水晶のように透き通る美に浸されている
まるで主・キリストのように至純な心を宿している
内面と外面の美が完全に一致している!
その単純な真理に驚嘆せよ
すでにその頭上には銀河がきらめき宿り
労せずして星座になることが定められている
北極星がその座にすえて軸となす
誠の哲人も北を目指して星となる
その翼は冬の銀河にははだき星になるにふさわしい
北の果ての湖は凍て吹雪くなかに白鳥は鳴き
一層その白さを増して長き冬を耐える
白鳥はやがてまた北の酷寒の地、シベリアへ帰る
そこが故郷にして人跡まれにして広大な地
そこで白鳥を脅かすものはなし
白鳥は我が領土と大空に羽ばたき舞う
白鳥は他の鳥と違いかく格別魅了するのか
それは天才とにているのだろうか
天才には天凛の質が備わっている
我等庶民には天才のことを知りえぬ
神が与えしもの、贈り物、それが天才なのか
モ-ツアルトのように天才の美しい楽が鳴りひびく
白鳥のその純白の静謐さは神の衣
近寄りがたく犯しがたく聖者の後背が光る
後光がさして神秘のオ-ラが光る
白鳥はまもなくシベリアに渡ってゆくだろう
そこでさらに美しく天来の質が映える