神の花園
神の広い庭に様々な花が咲いている
その花の中を日々歩み花を摘む
様々な花はそれぞれの個性に咲き
花と花が争うことなどありえない
「私の方が美しいのよ、ええ、私の方が美しいのよ」
そうは花は言わない
「あなたも美しい花ですね、ええ、あなたも美しい花です」
花は常にこう言って神の花園は至福に満たされている
花は神の手に摘まれて部屋に飾られる
壺に様々な花が一つとなり調和する
花と花は決して争うことはない
それぞれの個性を尽くして一つの壺に咲く
天国でも人は人と争わない
それぞれの個性を際立たせるだけであり
相手を否定する言葉をはかない
だから花々はさらに美しく神の庭に咲いている
神は日々花園を逍遥してあきることはない
そこに穏やかなまなざしに静かな光がさし満ちる
神の手から魔法のように花は生み出される
その花の一つ一つはミステリ-の美
神はその花々の一つ一つ愛でいつくしむ
そこに充実した時間があり時間は浪費されない
神のイデアは奇跡でありその美は計り知れない
神は静かな足どりでまた歩みこられるだろう
花々もまたそのひそかな足音を聞き喜びにふるえ咲く