2009年01月18日

農業の多様性は文化(culture)の基


●水田と陸田

 
農家出身でないし農業のことわからないから余り発言できないけど文化の側面からしたら郷土史と農業は一体である。土地と一体化して郷土が形成されている。郷土とは土の上に成り立つものであり故郷とは故ある場所となるがこの故とは歴史が形成された様々な因縁がある。郷土が土からなっているのだから土から離れてはありえない、文化もそもそも耕す-cultureだから土から生まれのが文化だった。土から離れて文化はありえない、ワインにも土地の名がついたのはその土地で培われプランドが長い間の蓄積で作られた。グロ-バル化した時も地方のワインも危機になったというのがわかる。郷土史とはそもそも地に根ざしたものである。だから農業とは一番結びつくのである。でも耕すとは畑を耕すものだとばかり思っていた。田かえす・・・が元になっていて田をかえす-田を耕すことだった。畑を耕すことでないことは意外だった。畑という字も火に田であり田から連想されている。水田と陸田とういのもあり陸田というのは畑のことであった。
 

穀物では稗は畑と並んで水田でも盛んに栽培され、特に稲の栽培に適さない冷水しか供給されない水田では重要な作物であった。また、蓮、慈姑、田芋といった栄養生殖によって増殖される芋類、根菜類も重要な水田作物であり、・・・・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/

 
水田というと稲だけを栽培するものとみるが違っていた。しかし焼畑は原始的農耕としてあったがのちに稲作りが主要となり田から農耕を考えるようになったから畑を陸田などと言うようになったのだ。日本の文化は古来や山にあった縄文的文化は稲作が全国に広がるとともに失われた。それで遠野物語が弥生文化とは違う山民の文化が残っている伝承として柳田国男が知らしめたのである。そもそも岩手県辺りでは寒いから稲作に向いていない、それで北上山地の平易郡では一揆が起きている。青森県でも江戸時代まで稲作をしていない、畑作中心だった。稲作は必ずしも全部に向いたものではなかった。特に寒いところには向いていなかったのである。相馬では急速に陸田から水田に移った、水田をふやしたとあるから稲作にはまだ向いていた方だったのだろう。岩手県辺りからそんなに簡単に稲作に移行できなかったのである。
 
●農業の多様性
 

人ですら同じ環境、同じ時間、同じ勉強をさせても結果が違う。
生物は種の個体差、環境=地域差、天候の違いがある。


輪作できない作物の場合は、また他の種の転作用のノウハウが必要になる訳で、
紛れがある生物を一定の質で作るのは非常に難しい。

 

郷土史の本を読むとなぜ民情が違うから合併はむずかしいとか書かれてあるのか、これは相馬藩と伊達藩になると余計にそうである。新地辺りでは境だから相当な民情の相違があった。
言葉とかもかなり違っていた。江戸時代とは一つの山を越えたら民情が違っていて相いれないものがあった。今ならそんな境界はない、民情が違うなどありえない、それは外国との民情の相違になる。日本国内では広くてももはや民情の相違など問題にならないのだ。それだけ文化でも一様化ししてしまったということを逆に証明しているのである。

 
農業は土や自然とかかわるから工業とは相当違ったものなのである。つまり多様性、継続性、調和性・・・の世界でありそれは文化と通じている。文化とはそもそも一様化ではない多様性であるからだ。江戸時代は今では考えられないような多様性の世界だった。それは一つ山を越えてもそうなっているのだから藩を出たらさらにそうである。家の作りまで違っていたりと外国に行くようなものでもあった。だから江戸時代を旅したら今とはまるで違う、文化が村々で違っていたのである。日本文化も土の上に農業の上に作られた。特に稲作が全国に広がることが日本の文化の基底を作った。それだけではない山民の文化もあったというのが柳田国男の主張であった。ヤマトというごとく日本には山の文化があっても不思議ではなかった。それを象徴していたのが畑とか陸田-水田であった。山民の文化は稲作の文化が広まるとき失われたのである。つまり田から畑とか陸田とか説明する他なくなっていた。畑を耕すということさえ田を耕すだったということにも象徴されている。農業を稲作、田を中心に考えられるようになっていたからである。ともかく江戸時代辺りなら自然が多様であるごとく日本の文化も多様だったのである。
 


 

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