内村鑑三と明治維新
明治維新が何だったのか今問われている、単なる薩摩長州のク―データーであり権力奪取だったということもあからさまに言う人がいる
吉田松陰がテロリストに過ぎず薩摩長州に何か近代化を志すものがなかったというの確かである
それは後から美化されて作りだされたのである
どうしても西洋の文明とか思想を一挙に理解できないからである
ただ彼らの行動は幕府を倒すということで一致していた
何か主義主張があったとは思えないのである
なぜならとてもその時西欧の文明であれ思想であれ消化できないからである
それでまず西洋の文明の言葉を翻訳するのに苦労した
そこで日本人が漢字に翻訳したのである
その翻訳した漢字を中国人が使っているのである
権利はもともと権理だったとかいろいろに模索しつつ翻訳したのである
未だにそうした言葉は日本語にないとうときその背景にそうした歴史がないのだから実際は訳しようがないのである
市民という言葉の背景にヨ−ロッパの歴史が凝縮されて生まれている
市壁に囲まれて共同で敵から守る場として市がありシティズンがある
それでパスポートにどこの市民かと記すようになっている
日本だったらどこの村に所属していることがアイディンティティになっているから
市民となるとそもそも歴史的にないのだから訳しようがないのである
内村鑑三が侍の出であり薩摩長州の藩閥政治を常に批判していた
また天皇に不敬だとして不敬罪に問われてそのことで国民の敵とされて排斥されて苦しんだ
これも何を物語っているのか?それは明治は天皇というのがあまりにも異常に持ち上げられらた、それは古代の天皇制の先祖帰りだった
だから国家神道になった、なぜ廃仏毀釈が起きたのか?
それもやはり異常な天皇崇拝から起きた、それは不敬罪としてキリスト教への弾圧でもあった
ただキリスト教は明治では西欧化するのに認められた、なぜなら宣教師が多数来て大学もそうしたクリスチャン系が創始者になってできているからである
●異常な天皇崇拝(国家神道)−廃仏毀釈
●廃藩置県(侍の廃止)
●薩摩長州の藩閥政治
●富国強兵(国民皆兵)
これらのことが強圧的に進められた、その結果として日清日露戦争になり太平洋戦争の悲劇と通じていた
ただ国民国家というのは日本だけではない、フランスでもドイツでも世界的に国民国家になったのである、ナポレオンは国民国家にして国民皆兵にして戦争で強くなったのであるつまり世界が国民国家となった結果、国民同士が戦争するようになったのである
それで世界大戦となりその規模が拡大して大被害になったのである
だから国民国家というのはいいようで悪い面もあった
一つの説として国民国家ではなく国民軍など持たない方が良かった
そうならば日本は第二次世界大戦で中国とかまで進出することはなかったという意見もあるのもわかる
国民国家になったら国民全員が兵士になり外国との戦争では全員死ぬということにもなるどちらも国民国家であり国民が総力戦になるから最終的に全員死ぬということもある
もし侍だけの戦争だったら負けたら殿様が切腹して戦争は終わっていたからだ
内村鑑三は日露戦争を批判した、日清戦争は賛成していた
その後非戦論者になった、キリスト者として非戦論者になった
今でも日露戦争を肯定する人は多いが彼は否定したのである
日露戦争に勝ったとはいえなくてもロシアに対等で戦ったということが日本人は評価するでもその評価が奢りが太平洋戦争に通じていたのである
太平洋戦争の原因は明治維新からすでに始まっていた
西郷の征韓論でもそうである、吉田松陰のアジア征服でもそうである
その思想は明治維新からあった、それが大東亜戦争となったのである
歴史とは何かというときいろいろものが複雑に交じり合うから評価するのがむずかしくなる、でも歴史を明治維新でもその後でも一人の人物から見るとわかりやすいとなる
内村鑑三は幕臣でありこの出自が重要な意味をもっていたのである
都築詠一氏というプログを書いて死んだ人も幕臣だったのである
それで明治維新の偉人を批判していたのである
内村鑑三も常に薩摩長州の腐敗した藩閥政治を批判していたからである
明治維新の元勲をもちあげているのは誰なのか?
今でもやはり薩摩長州の人たちであり山口県から首相になる人が多い
今の阿部首相もそうである、つまり薩摩長州の藩閥政治は継続されているともなるのだ
なぜ日本が大東亜戦争に突入して300百万人も死んだのか?
それは内村鑑三が生きていたらその戦争にも猛烈に反対していた
日露戦争は国民的合意の戦争のようになっていた、それでも反対していたのである
ただ大東亜戦争も評価するのはむずかしい、でも歴史的に継続するものがあり突然に戦争になったのではなく明治維新の時すでに予定されていたともなる
国民国家同士の戦争はすでに世界で用意されていたともなる
国民が全部兵士になるとき国民皆兵になるとその戦争は熾烈になる
現実に日本だけではない、ドイツとロシアの戦争でもここが一番多くも死んだからである日本も大陸の民族同士の熾烈な戦争に巻き込まれたのである
その原因を作ったのは西欧のヨ−ロッパのアジア進出であり植民地化であった
もしヨ−ロッパがアジアに進出しなければアジアで争うことはなかったのである
不干渉であり日本は鎖国して他国とはかかわらなかったからである
世界史的には国民国家同士の戦争だったからこれだけの被害が出たのである
世界がハルマゲドン最終戦争の様相を呈していたのである
とにかくなぜ明治維新が世界でも奇跡だったとして称賛されるのか?
それは薩摩長州だけの力ではないことは確かだったのである
そこだけをはでに取り上げるのは問題であり否定されつつある
結局薩摩長州の藩閥政治は腐敗したからである
ただ明治維新ではなぜ英傑がキラ星のごとく生まれたのか?
それは日本の江戸時代三百年がありそこに侍がいて幕臣も国造りの中核になり明治時代が築かれた、だから今見直される
その一人が内村鑑三でもある、これだけの強烈なキリスト者が生まれたのはなぜなのかとなる
それは内村鑑三がアメリカに留学して視野を広げたことが関係している
今でも留学したとか外国で生活した人は視野が広くなり日本を相対的に見れる
日本の良い点と悪い点が見えるのである
ただやはり留学とか外国で生活した人であり旅行したくらいではわからないのである
いづれにしろ明治にたいがい実業でも教育でも大学でもみんな創始者になっている
つまりその延長として現代がある、その基は明治に作られたのである
明治は日本では偉大な時代だったとなる
ただ薩摩長州だけの功績とするのは間違いである、庶民にしてもすでに幕末から近代化の用意ができたともしている
なぜなら墓を見ると個人墓でも幕末のものが多いのである
その頃から農民でも経済力がついて個人の墓を建てるようになったのである
それまで村の共同墓地のホトケっポとかに葬られていて個人墓はなかいからである
ただ明治維新が何だったのかはそれを知ることは容易ではない
それは日本国という総体的な力が結集して成されたともなるからだ
とにかく歴史でもミネルバのフクロウは夜に飛び立つというようにそれが百年とか過ぎないとその真実がわからない、それだけ歴史となると評価がむずかしいのである
人物にしてもそうである、ただ死んで百年の後にとりあげられるだけですでにその人は歴史上の人物である、それは歴史に生き続ける人物であり後々まで影響するのである
あとの無数の人間はただ消えてゆくだけだとなっているのだ
明治の預言者(内村鑑三)
そは噴火口なり
煮えたぎる溶岩を噴出す
火の言葉、ロゴスがその底より
とめどもなく噴き出す
その熱き岩よ、言葉よ
憤怒となり世を正す
聖書一冊を手中にして
明治の新しい時代の興国の預言者
そはまた堅き岩に身を寄せて
いと細やかなる高山の花を愛ず
そしてかなた遠望す高き峰
大洋を望み世界大に視界を広げる
その湧きあがる力の源泉は
神への信仰にして成りぬ
その清冽な泉の涸れることなく
こんこんと湧きて人を癒しぬ
キリストの霊の宿りその言は強し
その言葉は末代にもひびきわたる
新しき日本に義人一人生まれる
異国の攻めの強くも独立不羈に立つ
新しき世に炎のごとく立ちにけるかも!
得がたきものや神は日本にあらしめる
侍の矜持の高くその節を曲げぬ
誇り高き者にして神の言を伝える
その顔の柔和と見ればしかあらず
憤怒のとなりて世を正す
冷徹にして氷河のように閉ざす
その上に孤高の峰がそびえ立つ
近寄りがたき者にして俗を排しぬ
江戸幕府三百年は無為にあらじ
侍の志の高くその信の篤し
その刀は邪を切り義を高める
明治になぜかく英傑の生まれしや
綺羅星のごとく生まれしや
真の侍のありてこそかな
日本の歴史の重みなるかな
(反歌)
千歳巌のごとく
国の礎と千代に
その末を見守り
その信の強くも
揺るがざるかな
国の栄の基なれ
そは人物にあれ
国の山河にあれ
その礎の堅くも
国は崩れざりし
天地の支えつも
神の支えるなり
国は盤石にして
毀つ能わざりし
その礎知るべし