金閣寺の俳句(2)(千年の都の美)
金の美の極めてここに花の散る
金閣や都に乱も花の宴
金閣寺朝日に輝き散る椿
苔に散る椿の赤し金閣寺
三層に日本の歴史春の京
王眠る金に魅せられる京の春
常盤木の松に金閣夏日映ゆ
移る季(とき)池に金閣松と岩
(銀閣)
月光や砂に銀閣松の影
銀閣に秋の日さして松古りぬ
金閣のまばゆさや
銀閣のしぶさや
対なして千年の都の京都
築地塀古りて
その角をまがりて消えぬ
後ろ姿のその女誰や
優艷に枝垂桜の影
その塀に写りて暮れぬ
街中を流るる水の音
祇園の舞子の下駄の音かな
しずしずと歩みて去りぬ
金閣の美はやはり自然の中に映える美である。室内ではない,金色が自然に映える,それが魅力である。京都は京都が千年の都としてあったことである。
そこが他の都市とは違う,戦乱があったのも京都である。
だから金閣寺でも実際は炎につつまれている感覚になる
動乱の中に金閣が映えている,京都は文化が栄えてもそこは天皇がいて常に政治の場所だったからである。
寺に応仁の乱の争いの傷跡が柱に残っているというのも京都である。
それだけ古いということである。
京都と奈良とではずいぶん違う感覚になる,奈良だともの寂びた古代の感覚である。
それが奈良の大仏に象徴される,平城宮といってもそこは枯野であり何も残っていなかったのである。
京都はずんと千年の都として維持されてきたのである。
だから日本人の美意識は京都と磨かれたとなる
その象徴が金閣なのである。
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