2008年07月26日

野馬追いの地元からの見方、感想


 野馬追いの地元からの見方、感想

 
「野馬追い 感想」などのキ-ワ-ドでくる人がいたけど野馬追いで感じることは地元と外から見た人では違っている。
 

小高郷、標葉郷、中ノ郷、北郷、宇多郷
雲雀が原に総結集して旗の列
かつては山中郷も一枚加わりしも
ここに鍛えて伊達を退ける昔の武勇
いななきて荒ぶる馬は伊達に抗す

伊達に抗して荒ぶる馬
http://musubu.sblo.jp/article/4751705.html

 
小高郷、標葉郷、中ノ郷、北郷、宇多郷とあるがこれはかつての相馬藩内の武士が総結集する祭りだった。過去の共同体の復活が祭りであった。祭りには庶民でも神輿をかついだりするのはその神社を中心にして村や町があったからである。山中郷は飯館村だがかつては江戸時代は十四騎野馬追いに参加していた。山中郷は相馬藩では遅く組み入れられて村である。共同体というとき山中郷が飢饉のとき他の郷でも味噌とか米とかもちろん塩とかを援助したのである。一つの村や藩は運命共同体であり他藩は敵となるから伊達藩からは援助されないのが江戸時代だった。街道があるがこれは今のような公道ではない、国道ではないのだ。それぞれの藩で管理していた。だからやたら関所が多い、木戸番というのも重要な職責だった。映画で木戸番が同じ藩内の親友でも直訴として江戸幕府に出るのを阻止するために切り合いになって木戸番は殺された。また藩内の街道でも通るときは藩主などにお礼を言わなければならなかったとか藩は一つの国だから道路も藩のものであり通るには藩の許可が必要だったのだ。
 
野馬追いの祭りもかつての相馬藩の共同体の復活の祭りなのである。ただこれは武士だけが参加できるのでヨ−ロッパだと貴族の祭りだとなる。庶民は参加できないからである。だから相馬藩全員の祭りではないのだ。野馬追いで感じることは今では相馬藩というと狭い地域の祭りである。でもこの小さな地域でもあれだけの馬が集まり旗が集まり雲雀が原に集結するとき壮観なのである。行列の中には稚児や老人もいる。年齢的にも地域的にもかつての相馬藩が一致集結する祭りなのである。そこに祭りの意義がある。そこに感動するものがある。これは他から来た人はあまり感じないだろう。今なぜそういうことに感動するのか?結局どこでも共同体というものが希薄して喪失したからではないか?昔の共同体は会社とは違う総体としての大地とつながりその結びつきが強いのである。それが相馬藩という小さい規模でも一体化したものとして再現するから感動する。現代というばらばらのアトム化した世界で何かそうした過去の親密な共同体に郷愁を感じる。グロ−バル化の世界で世界の果までゆくことが出来てもそこに共同体は生れない、一体感は生れない、現代に欠如しているものそれが一体感なのである。それは総体としての一体感であり部分として会社人間としての一体感ではない、大地と結びつき総体としての一体感なのである。それが過去にはあった。それが祭りとなって再現するとき感動するのである。郷土史の研究の目的は何か?かつてあった共同体の探求でありこれは過去だけではなく現在にも活かすものとして探求なのである。相馬藩は規模が小さいからこのくらいで共同体として探求する一体感を深めることに向いている。ただ会津くらいになるとその歴史の層も厚くなるからまた違ったものとなる。会津が薩摩長州に最後まで抵抗して悲惨な結果をたどったのはその共同体の規模の大きさによっていたのである。他の弱小の藩は比較的簡単に降参していたからである。
 
現代文明はそもそもどこでも帰属意識が薄れる。会社が一番帰属する場となっている。でもそこは部分として帰属する場所であり全体ではないのだ。かつては国が帰属する場所だったがその功罪はあるにしろ現代文明は複雑な迷路と化して人間は部品化される。そのなかで逆に大地と結びつく帰属が明確な共同体を求めるという反動がある。日本となるとすでに大きいからそこに共同意識を求めることは具体的にむずかしい。特にこれだけ文明化すると複雑で帰属感はもてないのだ。むしろ宗教団体などがこれほど戦後興隆したのは国の帰属意識が喪失した結果でもあった。部分に意味がなく全体に意味があるということで時事問題の深層でも書いてきた。その全体とは哲学であり宗教であった。全体に生きるときそこに意味が生れてくる。部分が全体の中に集権される、それが相馬藩の共同体としての復活の祭りとしての野馬追いがあった。つまり相馬藩とか小さい地域だと意味が明確化されやすいのである。グロ−バル化のなかでかえって今や小さい地域での連帯感と意味を追求されているのだ。
posted by 老鶯 at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史(相馬郷土史など)
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