2015年08月23日

青森へ新幹線で行った不思議(詩) (津軽鉄道の終点、中里駅の旅情)



青森へ新幹線で行った不思議(詩)


(津軽鉄道の終点、中里駅の旅情)

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新幹線ではじめて新青森についた
途中二戸とか八戸と三戸とか五戸
その辺境の地名のみが心に残る
そこははじめて下りた駅
そこから普通車に乗り換えて
山間をぬって弘前に行く
今年の5月は暑いが雪が残っていた
その山間をぬけると開けた地が浪岡
弘前の五層の城は古武士のような風格
北の果てなる地に古の威厳を保つ
いくつかの古風な門をくぐりぬける
桜は今一斉に咲き誇る
優美な岩木山はその城より望み映える
弘前は喫茶店の街だという
ここではじめてコーヒが薬として飲まれた
その謂われもまた歴史を語る
弘前から津軽鉄道に乗る
高い煉瓦作りの塀を巡らした斜陽館
それはまるで城であった
地主として富を独占した
いつ小作に襲われるかもしれないと
高い塀を巡らした
そこに冬は津軽平野の西風が吹きつけた
終点の中里駅におりると
一軒のタクシーが待っていた
その運転手が一三湖に案内した
その道すがら地吹雪をふせぐ柵を説明した
ここの地吹雪はすさまじい
ここはその地吹雪を経験しないと
ここで暮らすものの厳しさを実感できない
一三湖はにごり波立ち西風が吹きつける
春なれどなお西風が吹きつける
一三湖は思い出した
砂に埋もれて栄し港は消えたと
運転手は津波で港は消失したと
それが生々しく思えたのは
今回の津波でいくつもの私の故郷の村が消えた
そのことを語ったのもまた時の巡り
十三湖の砂に埋もれた宋の銭
ここに船は巡り栄えたのは幻や
今はただ荒寥と西風が濁る湖にふきつける
私の住む所は太平洋からは春になれば
東風(こち)が吹くと言った
ここは春になっても西風が吹きつける
一十三湊は私の心に残る
そしてなぜか中里駅のそのタクシー運転手
その人が心に残る
その息子は仙台にいるというのもわかる
そこに働く場もないのだろう
青森県は常にそういう場だった
不思議なのは新幹線で二時間もかからず
青森についてしまったことだ
それほど近いのかという驚きである
最果ての地にそれほど近いのか?
すると中里駅でも近いとなる
新幹線は何か距離を短縮する不思議をもたらした
遠くが近くなり青森の津軽平野の最果ての地につく
だから中里駅も隣のようにさえ思えた
私は旅をしているうちに人生の終点を感じた
そこが旅の終わりのようにさえ感じた
人間は何をしても終わりが来る
人生は短く旅も尽きる日が来る
みちのくの最果ての地で終わりくるというのも
それも旅をしてきた私にふさわしい
その人がその場所が印象に残る
今なお忘れられた知られざる村がある
黒石市から雪に埋もれた小国
バスでトンネルをくぐると小国があった
あそこもまた奥深い場所である
あそこにも村があり人が住んでいる
冬はしんしんと雪に埋もれて青森は遠い
しかし新幹線でまた近いという不思議
旅も終わり人生も終わる
中里駅の一台のタクシー運転手
なかなかここまでは訪ねて来ないんですよ
新幹線でよる人増えたんじゃないですか
そうでもないです
終点はどこでも印象に残る

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新幹線で新青森から弘前市から津軽平野の津軽鉄道に乗ったのは不思議だった。
その不思議さは二時間ほどで新青森につき弘前とか中里となると辺境の辺境、最果ての地であった。みちのくでもそこは最果ての地である。
だから遠いと思っていたが新幹線で近いなとつくづく感じてしまった。
実際は自分は一カ月くらいふらり旅にでて帰らなかった。
今や二三日旅するのに難儀なのである。だから介護や自分の病気やらで七年間旅していない、旅ができないということが信じられないことだった。
それも近くですら出かけられないというのもショックだった
今回青森に行けたのは新幹線があったからである。でなければ日にちがかかるからできない、新幹線が時間と距離う縮小したから青森まで行けたのである。
青森は何か最果ての地で印象に残る地だった
それも自分の人生の旅の終わりにふさわしい場所に思えた。

津軽鉄道の終点の中里駅は何かこれも不思議だった。
一台のタクシーが待っていた、そのタクシー運転手も印象に残った。
あそこに一台のタクシーがあったことが印象に残った。
自分はこれまでタクシーをほとんど利用していない
高いから利用していない、でもあそこにタクシーを乗ったのは利用価値があった
タクシーで土地の人と交わるということにも価値があった
普通なかなか土地の人とは交わりにくい、タクシーは一応商売だから案内もしたりする
それは全部でないにしろ何か印象的だった
タクシーは外部から人の窓口になっていたのである。
青森の黒石もその名から黒をイメージするのも不思議である。もの寂びた街をイメージするが本当にそういう街だった。こみせ通りとか雁木の通りがあったりするからだ。
そこからバスにのって温川(ぬるかわ)温泉に行ったことがある。
その途中にトンネルをくぐると小国という村があった。
小国というのは日本のいたるところにある。まさに遠く離れた辺鄙な所で自給自足して暮らしていた所で小国となった。これも極めて日本的な地名なのである。
津軽鉄道はまた旅情があった、これは次ぎに書いてみよう。

ただ津軽鉄道でも斜陽館のあるところまつでは行くが終点の中里駅まで行く人は少ないみたいだ
でも中里駅からタクシーで十三湖に行くと津軽平野の荒寥とした景色が身にしみるのである。
だからあそこのタクシー運転手は何か津軽の旅には欠かせないものだと思った。
車の旅だというこういうことがないが電車の旅ではやはり旅情がある。
自分は最初の二〇年間は電車の旅であり次ぎに四〇才過ぎて自転車の旅であり50になったら海外旅行だった、そうしているうち人生の終わりに近づいたのである。
人間はなにをするにしろいづれは終わる
そして必ず過去をふりかえるのだ
旅というの蓄積である。旅でも忘れやすいから記憶として蓄積しないと忘れる
もう思い出せない所がかなりあるだろう。
だから思い出せる旅を心に残る旅をいかにするかが旅の秘訣にもなる
たいがい思い出せなくなるのはその五感に感じたものを記憶に残さないためである。
旅でであった女性がいたとしてその人に気をとられていると自然に対する印象は消えて
その女性の印象だけがのこり妄想にとらわれて記憶が消失するのである。
人間のエネルギーは女性に費やされるのが多すぎる、そこで貴重な時間が奪われていたのである。
それだけではない、人間というのはいろいろなものに雑なものに時間を奪われすぎているのである。
自然に集中できない、様々な雑なものが雑音が入り自然を記憶に残せないのである。

寂けさや岩にしみいる蝉の声 芭蕉

これは雑音ではない、一心に蝉の声に耳を傾ける静寂が沈黙が江戸時代にあったから残った句である。
その時観光客もまれだろうし車の騒音もないからこそこの句ができたのである。
今だとそうした句を作ることはむずかしいのである。
とにかく旅というのは一回限りのこともある
その場にはもう一回しかいることがない、海外だとそうなりやすかった
人間は旅でも一期一会になるがそれより自然との出会いも一期一会なのである。
自分は人間の出会いより自然との出会いに重点を置いた。
人との出会いとなると今はその場かぎりで合う浅薄なものになっているからだ
だから旅では人と出会ってもそこに時間がとられると自然と一体となる時間が奪われるのである。

結局人間は才能ではない、五感というのもこのように絶えず磨いていかなとその機能も低下してゆくのである。それは何でもそうである。
人間は常に何かを蓄積しているのである。自分が蓄積したのは旅だった
その旅も何か人間の欲望を刺激するようなものだとそっちのことばかり記憶に残り肝心のものが何も記憶に残っていないということがある。
だから青春の奔放な欲望を解放したような生活はあとで怖いことになる。
心に美しいものが残っていないという恐怖である。
欲望の残滓だけしかないという人も結構いるのである。
それを自分でも青春の時も考えられないのである。
青春時代の汚点が老年になりかえって鮮やかによみがえり苦しめることになる。
そして青春は過ぎるのが早いのである。
心の中に珠玉のように美しいものを残すような時間をもたねばならない
それがのちのちの宝となるからだ。金だけか宝ではない、老人になると記憶が宝となっているのだ。
そしてもういくら金を積んでもその記憶を作れないしその時間をとりもどせないのであるこれは本当に厳粛なことである。

時間などいくらでもある、暇で暇でしょうがない、暇をつぶすのが一苦労だ
自分もそう思っていたのである。暇をもてあましていたのである。
それが暇はない、絶えず家事であれ介護であれ追われる生活なのである。
ああ、暇だなと思っているとその暇も消失している。
50で海外旅行しなかったらもう海外旅行に行けなかった、そうしたら今どき外国に行かないなど笑い物になっていたのである。
実際に自分の識見は海外旅行しなかったときはそうだった。
だから人間というのは経験すべきことは経験しておくべきである。
山登りも今は体力がなくなり時間がないからできない
でも何度も登っている山があるからそこから思い出して山の詩を書いている
これも実際に山を登らない限り詩も書けないのである。
山は登ってみて実感するものがあるからだ

次回津軽鉄道の旅に御期待!



タグ:津軽鉄道
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