神座の磐
その磐の静粛なり
その千歳の磐にし
誰が座するべしや
春の朝日さして
神し座して静かに
心乱れざるべし
真向かいに磐あり
峻厳にして寡黙に
見つめあう面なり
清流激ちひびきつ
山吹咲き乱れつつ
鳥は激しく鳴きぬ
しばし人よ休まむ
何故に追わるるや
何故に使わるるや
虚しく費やされ時
定めと動かざりし
その千歳の磐にし
神は座するべし
ただ座して正覚す
無益を語らずして
その思いは整いて
その他何もなしや
ただ他は虚しきや
そこな人にして神
神にして人なりや
永久の安らぎにし
虚しき幻影を見ず
座して動かざるや
神の声ここに聞き
雑音ここに消えて
衆の騒ぎはなしも
ここに悟るべしや
神座して動かざる
千歳の磐の尊しも
人に忘れられしも
人に知られざるや
神なるものありて
