2008年04月03日

越中から相馬へ移住した人の墓誌

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越中から相馬へ移住した人の墓誌


 

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この人は越中国砺波郡中田組増山邑ノ郷士加賀ノ藩士前田家ノ家臣増山藤四郎・・・
とあり途中関東に数年間居住して高平村に移住した。増山という姓は越中国砺波郡中田組増山邑の増山から出ていたのである。日本人の姓のル−ツをたどると土地の名前からでているのが多いのである。

この墓は天保3年(1832)−慶応1年(1865)である。二つは江戸時代からあった墓である。これだけ二つが当時のままに残っているのはこの辺ではめずらしい。越中から移住した人は浄土真宗の宗教をもってきた。それで火葬とかの風習も相馬にもたらした。それまでは土葬が多かった。真宗では戒名はなく法名である。
 
浄土真宗では、「戒名」ではなく、「法名」といいます。法名は「法」にしたがって生きる、仏弟子としての名前です。「釈」という字は「お釈迦様」の「釈」です。仏門に帰依し、お釈迦様の弟子になるという意味があります
 
だから釈とつけば真宗系統なことがわかる。不思議なのは江戸時代の二人の妻には名前が残っていない、名前がないというのは今では考えられない、個人の名前より一家一族の姓や屋号が重んじられたのが日本である。今でも日本では個人名より血縁よりどこの出だとか出身地とかまたどこの会社に所属しているとかの方が大事である。家業優先主義から会社優先主義になったのである。
 

 日本人は男も女も実名を伏せて気軽に相手に教えないという風習がありました。実名がわかるのは官位につくとき、神様にお願いするときに実名が書かれてくるくらいですね。 では普通はどのように呼ばれていたのかですが、官位、通称、字などで呼ばれていました。女性の場合、父母以外に実名を教えるのは夫になる人にだけという状況でした。また、実名がないということもありました
http://okwave.jp/qa3324033.html

 
万葉集から「名をなのらせ」とあるごとく名を名のることはなかった。名前をなのることはいろいろ危険もあった。他者から呪われたりすることもあったとか名前を容易に教えなかったのである。「女性の場合、父母以外に実名を教えるのは夫になる人にだけという状況でした。また、実名がないということもありました」とあるごとく妻の名前が不明になっているのはそのためかもしれない、越中からの移住に関しては相馬ではいろいろな物語がある。これは歴史として墓誌に記されていたからわかりやすかった。墓を知ることは郷土史では欠かせない、ただ一般的にこれだけ明確に墓誌に記されているのはないから調べるにしてもわかりにくいのである。いづれにしろこの家は江戸時代から代々つづいた家なことは確かである。でも最初は移住者だから土地の有力者の下につくものでありそこから代を重ねて財をなしていった。高平にあった墓地だからここに昔からあった墓地なのか、山を切り開いているので新しく作った墓地なのか、ただここに江戸時代の墓があったとすると昔からここに墓地があったとなる。街中の墓所は意外と新しく江戸時代からの墓は残っているのは少ない、たいがい明治以降になる。私の町中の墓所を見ても江戸時代からの墓が発見されなかったのである。だからあそこは江戸時代には墓地がなかったのである。
 
墓地にも新旧があり江戸時代からあれば古いとなる。ただ墓地も移動したり新しく作られる。真野川の河川敷にあった墓地は河川改良でそっくり移動した。そこに一つだけ江戸時代の墓が埋もれるように倒れてあった。辛うじて名前は記されていたがこの人のことは皆目調べようもないしわからないのである。ただ江戸時代の墓があったということは貴重だった。ここの墓地で珍しいの両家の墓とあり両方の姓が記されていた。今や墓がふえすぎたから実家と嫁いだ先の家が二つになっても不思議ではない、明治以降墓がふえすぎたのである。だから無縁仏をふえてくる。墓を受け継ぐ人がいなくなる、それはやはり家業がなくなり一族がなくなり共同体−生産単位が核家族とかで細分化してしまったためである。姓が土地に根ざしていたごとく墓ももともとその土地に根ざしていたのだ。その土地で生まれ育ち働き死ぬのが一般的であったからだ。今やだから都会に出た母が娘のいるところに一時帰ってき介護してもらっていたが90で死んで墓は血縁の人は都会にいるので都会にもってゆくほかないとかなる。実子は都会にいて墓参りも都会の方が近くていいとなるからだ。墓も遠いと不便で困るのである。墓とはその土地に根付いた木のようなものである。越中から移住した人は相馬の土地に農業をして根をおろしたのだからまさに相馬の土地の人になった。農家だから何代もつづいたのである。現代は一時的に仕事で移住してもその土地に根付くことはなくまた仕事の関係で移動してしまうことが多い。土地との結びつきが希薄になってしまったのである。
 

 
 
 
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