
a dreaming stone
in spring haze
in a unknown villiage
over many mountains
in the distance
微睡む石
春日さし大きな石は微睡(まどろ)み
いづこの村か霞み隠される
春風に誘われ訪ね来しもの
その大石に寄りて休みぬ
鶯の鳴く声のうららかに
大きな石は微睡み重し
その石の回りに蟻のい出くる
ああ、また労苦のはじまりかと
大石はその蟻を知らじ
自由なる旅人は霞む日に
桃源郷を求め次なる村へ
峠を越えてはるか去り行く
大いなる神は霞みて微睡み
その中より蝶の舞いい出る
病院に苦しむものに春はなく
微罰の日々を生きていしや
その声の哀しく切なし
その苦痛の声は我も苦しめる
石のごとく微睡み眠ることなしや
石は他に害を与えず苦痛もなく
春の日は微睡み眠る