冬紅葉、冬樹、寒椿、寒鳥(冬の日の俳句短歌―桜井古墳から新田川を回る)
真野川の朝
一羽はノスリでありもう一羽は何なのか、写真に写っていたが肉眼では見えなかった
こういうことがある、肉眼で見えないものがカメラで見えることがある
新田川
津波の跡がここには生々しくここには残っている

石置きて曇り硝子に冬紅葉
山は雪ノスリ止まりて冷える朝
雪の山寒鳥二羽や朝に映ゆ
我が街の仕事場なれや冬の菊
十本ほど根付き変わらじ冬樹立つ
寒椿昨日の雪残り明けりけり
閉ざされぬ十一面観音寒椿
死神に追わるる齢や師走かな
朝の空は白鳥一羽鳴きにつつ仲間を探し翔けりゆくかな
新田川山は雪かな瀬のひびき桜井古墳のここに鎮まる
冬の日に桜井古墳に我が上る土地の歴史のここに始まる
津波に流さる家のその跡に石の離れず冬のくれかな
主なし家の跡かな石のみそ残りてあわれ冬の日暮れぬ
玄関の曇りガラスに冬紅葉が映る、母は12月12日死んだ、今年も死んだ人がいる
12月に死んだ人がこの町で二人くらいいる、自転車屋の死はショックだった
師走とは師のために走るとなるが死神に追われるという感じにもなる
どうしてもこの年になると近くでも知人でも死ぬ人が増えてくるからである
母は目だたない陰の人だった、性格的にそうだった、それで私も性格が似てそうなのである、それで冬紅葉忌としたのである
一昨日は雪が残っていた、この紅葉の木はいつも12月頃に紅葉になる
なんか母にふさわしいともなる
原町の新田川の岸辺の公園に十本くらいの木がある、そして椿に昨日の雪が残っていた
一昨日のことである、桜井古墳は大きい、その上に上った、見晴しがいい
山の方は飯館村の方は雪になっている、飯館村は標高が高いから早めに雪がふる
新田川は浅い川でありそれが飯館村の草野から流れている
浅い川だから瀬音がするのである
津波の跡が残っているのは桜井古墳からすぐ近くである
ここに津波に襲われて家が流された、でも林の樹々が枯れても残っている、厥か痛々しいのである、11年過ぎてもここではまだ津波の跡がまだ生々しく残っている
家の跡に石がありそれが離れずに残っているのもあわれだとなる
石がここを離れたくないと残っている、この辺の被害は大きかった
泉の十一面観音は中が見えない、また見たことがない、でも史跡とはなっている
師走はいろいろとやはり忙しいとなる、仕事しなくても忙しさを感じる
知っている人が退院したり自転車屋が死んだことなど近辺で変化があったのもそうである家事も忙しい、暇なく何かをしていなければならない、それでコメントをしていない
何か追われているのである、いろいろなこれまで書いたものの整理にも追われている
そして今やいつ私自身が死ぬかもしれない、これも恐怖である
だから「死神に追われる齢や師走かな」となる、死神に追われて逃れられないとなる