2012年01月13日

蟻と蝶(詩)



蝶と蟻

蝶はどこから生まれるのか
空気から生まれ
風から生まれ
常に軽やかに
ところ定めず
ただよい浮かぶ
絶えず風に流れ
とどまるは花のみ
蝶は地には下りない
花も空中に咲いている
花々の中をいつも飛んでいる
まばゆい光の中を
蝶は神の掌から放たれた妖精
神の業の奇跡の一つ
風に運ばれ風に舞い
花にたわむれ嬉々として
命の喜びを現せり
しかし蟻は労苦の内に
汗と埃りにまみれ
冬に地下に眠り
ようやくに休みに入った
蟻の定めはただ労苦のみなのか
蟻はただ冬になり
地下でようやく眠りに入る
あたかも墓に人が眠るごとく
人はただ労苦のみなのか
延々たる労苦のみなのか
蝶は夢、蟻は現実
人は夢にのみ生きられず
蟻の宿命を負わされている
その宿命は終わることがない
世の終わりまで蟻は働きつづける
それが例え蟻塚を作るだけにしても・・・

posted by 老鶯 at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩全般