2011年11月28日

橋下氏の勝利は何を意味しているのか (閉塞感から大衆は独裁者を求める)


橋下氏の勝利は何を意味しているのか

(閉塞感から大衆は独裁者を求める)

 


単純な大上段はつねに単純な人間を感動させるものだ
「資本主義」が悪いということが同時に資本家階級という具体的で生身の敵
または悪の権化を引っ張りだしたのである、ここに主体的な目標が生まれた。
すなわち、資本家打倒である


資本主義打倒ではそれほど熱意を示さなかった、打倒すべき対象に大資本家の一族や
ロシア皇帝の一家がいることに意味があった

自分の不適応を他人のせいだとして責任を転嫁する
(幻想としての文明-栗本慎一郎)


資本主義打倒とかいっても大衆は理解しない、資本主義が何かさえわからない、資本主義は今や一様には解釈できない、世界的自由な物の交換を可能にする、市場化するということでありマックスウエパ-のキリスト教から発したとか神の奉仕の勤勉な労働とは違っている。それはグロ-バル経済ではない、狭い範囲で行われたものである。そのグロ-バルな市場経済、金融経済が崩壊するのである。

今回の橋下氏の大阪市長選の勝利もこれだったのである。「公務員が悪い、公務員だけが得ししている、公務員が元凶だ、公務員を減らし給料を減らせば問題は解決する
これは小泉首相の手法とにている。郵政改革が第一である。それさえやれば事態は変わる、反対する奴は血祭りにあげる。こういうわかりやすいことが大衆の指示を受ける。特に今日のように閉塞化して改善が簡単にできないとき何か救世主のように一挙に問題を解決してくれる人が出てくることを大衆は待望する。その時むずかしいことを言ってもついてこない、民主党だって別に何か特別なことをしようとしたわけではない、「政権交代」という目標だけで大衆の指示を受けたのである。そのあとのことなど考えない、世界でもエジプトでもギリシャでもアメリカでもデモしているけど政権を打倒したあとのことはわからないからそのあとが混迷することになる。

今の状態はまさに独裁者を大衆は望んでいる。こういうときナチスのようにファシズムが起こりやすい。ナチスでも具体的な敵としてユダヤ人を設定した。橋下が救世主のように輝いて見える。あの人ならやってくれる、何か期待だけが独裁者に集中する、それが人間心理なのである。ともかく何かいい解決策がない、すると一人の人間のわかりやすい訴えが理不尽でも過激でも通ってくる。

カルト宗教なんかもそうである。「不満があるならの願いをかなうためには題目をあげつづけるんだよ、お前は信心が弱いからなんだよ、題目をあげつづけることだ」
「そういうことか、わかりやすい、信心がないからすべてが解決しない、これから一日題目あげていよう、そのうち解決する・・・」
こうして狂ったように題目を一日あげつづけている人がカルト宗教団体である。そのうち敵を作り出して誰々が悪いとかなると題目は怨念となりますます感情的になり集団的ヒステリ-となり一個人でも攻撃されるから恐怖になる。中国でも不満が日本に向けられたけど日本をそんなに批判しても国内の矛盾や問題は解決しないのである。

公務員とか在日とかを敵として攻撃する。すると日頃鬱憤をもっていた大衆はのりやすいのである。別に自分は公務員を擁護したりするものではない、不満な一人である。公務員が攻撃されるのは結局全体のパイが少なくなったからである。そのパイの半分を公務員が食べてあとの半分はその他の人々で分け合うとなると公務員だけがおいしい思いをして俺たちはなんなんだと不満が大きくなるのだ。公務員は今になると恵まれた存在になってしまった。全体の経済が低下した結果そうなったのである。でも全体の経済が高度成長のような時代だったら公務員はこんなに攻撃されなかった。みんな上昇しているのだからならない、今や格差社会でありそのはけ口をどこにもっていいかわからない,その時具体的に公務員が悪い、公務員がすべての元凶だとか具体的に攻撃すると大衆はわかりやすいのである。ユダヤ人を攻撃したのと同じである。それも一理あって改革が必要でもそれだけでは根本的に解決しない、パイが大きかったのに小さくなったのを分け合うのだからそもそもみんなを満足させることはできなくなったのである。

次の選挙では民主党に絶望した人達が橋下が率いる維新党に期待して投票するかもしれない、それが民意だとなる。自分でも民主党には本当に絶望した。特に福島県は民主党の巣窟であり渡部恒三とか原発を積極的に推進したのでありその子分が議員になっている。自民党はいなくなった。民主党は次の選挙では消えるかもしれない、維新党とかになだれ現象が起きてくるかもしれない、こういう閉塞した状態ではなりやすいのである。自民党などももう期待はできないしまた新しいものを大衆は求めるからである。

でも根本的な解決があるのだろうかと考えると何かいい方策は実際はない、アメリカのオバマ大統領も国民の不満が高まっているからTPPをしかけたのである。そういう不満が全世界的にうずまいている。それで世界的大変動の時代になってゆく、そういう大きな時代の分かれ目にきている。日本はそういう大変動の影響をもろにうける立場にある。大津波の被害もそれと連動していたのである。日本は大阪だけではない日本自体が国難の時なのである。それで一時的には橋下氏のような人が脚光をあびるが果たしてそれでみな解決するというわけにはいかない、そしてさらなら失望があり絶望になりまた激動になってくる。そういう予測できない時代になったということである。

いろいろな本を集めていたが今読み返してみると理解できる。読書がともかくただ読んでいるだけではだめである。要点をつかみ自分なりに解釈したとき活きてくるのだ。その本の要点をつかむことが大事なのである。その要点をつかんで自分なりに解釈して再構成-編集することが読書を活かす術だったのである。

posted by 老鶯 at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題の深層