2011年07月02日

女性、避難苦に自殺か 山木屋の自宅近くで焼死 (老人は住み慣れた土地を離れられない)


女性、避難苦に自殺か 山木屋の自宅近くで焼死
(老人は住み慣れた土地を離れられない)

今回の自殺は焼身自殺だとなると尋常じゃない、なぜそんな死に方を選んだだろう。よほどのことがない限りそんな死に方はしない、それも女性だから余計にそうである。これまでの自殺者は一人は須賀川で有機農業をしていた人が野菜が売れなくなると死んだ。
野菜農家の男性(64)、飯館村では102才の人が移るのが嫌で自殺した。あとは相馬市の玉野村では54才の男性が自殺した。山木屋で自殺した女性は58才だった。


102才、64才、58才、54才・・・高齢者が住み慣れた土地を離れるとなるなと苦しくなる。酪農して死んだ相馬の人はフィリンピン人の妻がいて子供がいて故国に帰られたことがショックが重なり死んだ。50代でも結構苦しくなる。大原の人も息子があとを継がない、市役所に勤めているから跡を継がない、5町あっても継がない、漁業関係でも高齢化であり跡を継ぐ人がいないということがすでに問題になっていた。津浪で死んだ人も6割は65才以上の高齢者だった。60以上になるともっと多くなる。第一次産業の問題は高齢化であり跡を継ぐ人がいない、それはさんざん言われてきた。そういう状況の中に津浪と原発事故が襲った。50以上になると移住してやり直すような気力がなくなっている。今までの継続したことをやるしかないしそれ意外なかなかできない、だから移住するとなると負担が大きすぎるのだ。つまりもうあきらめる人がでてくる。

そもそも農家は三代で農家になるとか林業でも50年で木が育つとか息が長いのが特徴なのである。代々土地に住んでいてこそ実りあるのが第一次産業なのだ。だからその土地から離れることは致命的なのである。山木屋辺りも代々そこに住んでいた人達が多いだろう。でもあそこは相馬から二本松への塩の道のル-トであり交通の要所だった。飯館から相馬へ原町へ三春へ二本松へゆく交差点、別れ道だった。それなりに交通の要所だったから集落ができたともいえる。


今回津浪であれ原発事故であれどれだけの被害者が出たかわかりにくい、在宅介護されている人が120人以上死んだのも高齢化を象徴している。高齢者はこうした災害に耐える力がない、それで自ら命を絶つ人がでてくる。山木屋にはコンビニもあり食堂もあった。それだけでも近くにあれば生活しやすくなる。それもなくなるから結果的に住めなくなってくる。コンビニも結構店がなくなったとき役立つものであった。山木屋となると二本松までも遠いし辺鄙な地域になるから何軒か残るというわけにはいかない、そこもまた無人化してゆく。あそこでも小中学校があったのだから子供もそれなりいた。だから子供のために移る人がでてくるからそれに高齢者もついてゆくほかなくなる。高齢者だけ残るわけにいかないのだ。 農家だとその土地や自然と一体化している。認知症を悪化させるのは環境の変化だというときまさに変化に耐えられないのだ。なじみの人や場所にいることが落ち着くのである。だからその土地を離れることは老人にとっては一番酷い仕打ちになったのである。


いつの間も、神さびけるか、香具山の、桙(ほこ)杉の本(もと)に、苔生すまでに


このうよに苔むすまでにいつづける。それが田舎なのである。そして何かそこにいつづけ死ぬはまさにその土に還るというごとくその土地の霊ともなり先祖ともなる。死者が山の神になるというのもそのためだろう。そういう心性はなかなか変えることはできない、都会人の感覚とはかなり違っている。ただ都会でも高齢化しているのだ。団地も高齢化して問題になっている。高齢化問題は田舎も都会も同じなのである。田舎にとって長年住んだ所から離されることが一番酷いことだった。それが原発事故の酷さだった。


会津の昔話に「伊勢参りをした大欅」というのがある

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樹木にまつわる民話より(google book)


欅も一緒に伊勢参りしたという話である。つまりそれほどその欅と村人は一体化していたのだ。
長年住んでいる土地では木とも石とも一体化している。木も村人と離れがたくなっている。
そういうふうに長年、代々生活していた人にはその土地を離れることが一番辛いのである。
北海道に移住した人達が村の社を移したのもそのためである。今回はそうした開拓で移るのとは違う。無理やりに移動されるのだから死ぬ人でてくるのだ。


おれは移りたくねえ
ここにいつまでもいるんだ
ここで生きて死ぬんだ
放射能なんかしらねえ
ここから離れねえ
死んでも離れねえ


こういうことが怨念となりこの土地に伝えられるようになる。原発事故に対する恨みが延々と語られることになる。

posted by 老鶯 at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 福島原発事故関連